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技術論文

都市計画道路朝倉駅針木線 防災・安全交付金工事での取組み
〜国立高知病院新出入口完成までの歩み〜

令和7年度表彰 高知県優良建設工事施工者表彰

施工:ミタニ建設工業株式会社 監理技術者:中越 勝美

施工:ミタニ建設工業株式会社
監理技術者:中越 勝美


1. はじめに

当該現場は高知市西部に位置し、隣接する土佐市やいの町との広域的なネットワークを形成する都市計画道路朝倉駅針木線の交差点改良を含む舗装工事である。


2. 工事概要

  • 工事名 (都)朝倉駅針木線 防災・安全交付金工事
    主な工事内容 ・施工延長   L=204m
    ・縁石工    L=250m
    ・舗装工    A=2633m2
    ・床版補強工  L=11m
    ・排水構造物工 L=211m

3. 施工特性について

@当該現場は人口集中地区(DID)に位置し、通過・発生交通により終日交通量が多く混雑し、周辺には小学校から大学まで教育施設もあることから、朝夕の時間帯において歩行者や自転車の通行量が多い。
また、現場周辺は多くの店舗や国立高知病院もあり、沿道利用も活発である。特に国立高知病院への進入車両が慢性的な交通渋滞を発生させており、道路利用者及び地域住民から早期の交差点改良が望まれていた。よって本工事においては工期短縮が課題となった。

A当該現場は夜間の作業が大半を占め、夜間作業時における騒音及び振動の抑制・低減が課題となった。

B舗装工事の仕上げでもある表層工において、排水機能を確保しつつ、アスファルト舗装の長寿命化を図ることが課題となった。


4. 具体的な課題に対する対策や取組み

@工程に影響を及ぼす要因(騒音・振動対策、近接他工事による影響、支障物件の移設)を事前に把握し、検討フローにより合理的な対応策を策定し、次項目を実施した。

  • 最初に発注者、関連施工業者、上下水道管理者、都市ガス管理者、警察に弊社が作成した工程を提示しその工程を基に各社の施工時期を決定した。
  • 工事の進捗とともに新たな施工業者も入ってくるので、定期的に工程会議を実施した。

【効果について】

定期的な打合せを実施することにより、各社の作業内容や進捗状況を把握、調整することにより手待ち・手戻りが無く円滑な工事の連携と進捗が図れ、早期の交差点供用に繋がった。

工程会議実施状況

 

現地打合せ状況

A縁石工(縁石基礎)の施工は交差点内に集中しており、現場打ちコンクリートによる施工は、型枠組立から脱型・埋戻しまで複雑な多工程を経る必要があります。
さらに、現場打ちで施工する場合、打設箇所周辺への安全施設の設置が必須となるほか、横断歩道部では仮設通路の設置も必要となり、時間的、費用的にも大幅な負担増となる。

  • 上記理由により、現場打コンクリートからプレキャスト製品に変更し施工した。

縁石基礎設置状況

 

昼間交通開放状況

【効果について】

今回の市街地における夜間作業という条件下で、測量時間を従来比20%短縮することに成功しました。ただし、片側交互通行規制中は車両の通行があるため、測量機械の据付場所には十分に配慮しました。

B夜間作業では、21時から翌朝6時までの片側交互通行の交通規制を実施する必要がありました。限られた時間内での作業時間を短縮するための工夫が必要であった。

  • 本線部を3次元設計データ化し、道路土工・排水構造物工・舗装工において自動追尾型TS・杭ナビを使用した出来形管理を実施した。

測量実施状況

 

タブレットを用いて位置確認

【効果について】

今回の市街地における夜間作業という条件下で、測量時間を従来比20%短縮することに成功しました。ただし、片側交互通行規制中は車両の通行があるため、測量機械の据付場所には十分に配慮しました。

C夜間施工における騒音及び振動の抑制・低減が課題でした。この現場では大半の作業が夜間に行われるため、常時使用する照明設備についても工夫をする必要がありました。

  • 工事用投光器への電力供給を発動発電機によるものから蓄電池(リチウムイオンバッテリー)タイプに変更した。
  • 斫り作業における騒音源には、遮音・吸音パネル構造の簡易型防音ボックス(NETIS)で周囲を囲んだ。

蓄電池タイプの照明(LED)

現場事務所にて充電

【効果について】

事前に現場周辺の住環境を踏査し、騒音や振動の大きさやこれら発生源からの距離・方向を詳細に把握し、細やかな抑制対策を講ずることにより沿道住民、医療施設利用者及び道路利用者からの苦情はなかった。
工事用投光器については電力供給を蓄電池方式にすることにより、エンジン式の発動発電機から発生する騒音・振動・排気ガスをゼロとし、現場でのCO2排出量の大幅な削減に寄与した。

D当該現場は交差点内を含み、交通量が多く、歩行者や自転車の通行も頻繁な道路です。そのため、ライフサイクルコストの低減という観点からも、舗装(表層)の長寿命化を図るための工夫が必要であった。

  • 表層と基層の接着力を従来の物より約63%向上した乳剤(スーパータックゾール)を使用した。

乳剤散布直後に付着確認

 

乳剤の付着なし確認

【効果について】

乳剤の分解が早いので、通常のアスファルト乳剤に比べると大幅な養生時間の短縮となり、またPKR-T(ゴム入り乳剤)の品質規格を上回る接着性があるので表層の長寿命化を図ることができた。
工程においても散布後数分で養生が完了することから、表層工の施工時間の大幅な短縮も図ることができた。


最後に

個人的な話になりますが、この路線(工区)を3期連続で担当させていただき、その中でも1番苦労した 現場となりました。受注当初は埋設物・支障物件の調査、工程管理について、入念に何度も打合せを行い手戻り・抜かりの無い施工をすることができました。
工事終盤は雨天による施工中止が続くなど予期せぬ状況もありました。さらに、夜間作業が大半を占め、近接する国立高知病院(夜間の救急搬送対応も含む)や店舗のために出入口の確保といった制約がある中での施工でしたが、無事故で完成することができました。
この場を借りて、工事を支えてくださった発注者、ライフライン管理者の皆様、沿線住民の皆様の温かいご指導とご協力に、深く感謝申し上げます。